用語・術語の解説

用語・術後解説

エキス
植物その他の天然素材を、水・アルコール・エーテルなどの適当な浸出液に浸して、有効成分を浸出し、浸出液を蒸発させて、有効成分を濃縮したもの。成分を加熱によって破壊しないように、低圧で蒸発させることが多い。


エモリエント成分
エモリエントとは、皮膚を柔らかくする、刺激を緩和するという意味。皮膚の表面の角質層には、もともと脂腺でつくられるスクワレン(エモリエント成分=スクワランと酷似の油状粘液体)などの粘液物が含まれ、皮膚に適度な水分と油分を与えて保留させ、皮膚を柔軟にし、みずみずしくなめらかな肌に整える機能を果たしている。

しかし、肌の状態や環境によってその機能が低下すると、肌のこわばり、カサつき、シワ等の原因となります。
このため外部からエモリエント成分を与えて肌を柔軟にし、なめらかに整える機能が化粧品の役割として重視されています。


エモリエント成分には、各種の天然素材に由来する有効な成分、同様な効果を持つ高級アルコールやエステル類が適宜選択され、使用目的にあわせて適切に応用されています。

加水分解
無機または有機化合物が水と反応して分解する化学反応。たとえば、油脂は脂肪酸とグリセリンに、でんぷんはグルコースに、たんぱく質はアミノ酸に分解します。分解を促進するために、加水分解酵素(ヒドロラーゼ)がよく用いられます。

金属イオン封鎖剤
化粧品の使用目的に合わせて配合した成分に、使用中や保存中に、なんらかの金属イオンが混入すると、化粧品の持つ機能や品質が劣化します。


また、洗浄料などでは、硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムが洗浄成分と反応し、泡立ちを悪くしたり、洗浄力を低下させたりします。


金属イオン封鎖剤は、水溶液中でこれらの金属イオンと優先的に結合して可溶性の化合物をつくることで、金属イオンを不活性化し、有効成分への悪影響を事前に防止します。

酸化と還元
一般的に、無機または有機化合物に酸素が加わる化学反応、または、水素が減る化学反応を「酸化」といい、逆に、酸素が減るか、水素が増える化学反応を「還元」といいます。


なお広義では、「+電子」を除去することを「酸化」、「+電子」を付加することを「還元」といいます。


スキンケアに影響のある酸化には、肌や頭皮の表面に分泌された余分な皮脂が空気にさらされると酸化されて酸敗臭を発生すること、また化粧品に配合された成分が遊離酸素によって酸化され、機能や品質が劣化することなどがあります。


このため、酢酸トコフェロールなどの酸化防止剤が配合されています。


還元については、エモリエント成分として応用される植物油と関係があります。


これらは、水素数の足りない不飽和脂肪酸とグリセリンが結合した液状の油ですが、酸素を添加すると粘度を増し、科学的性質も安定化するので、ときとしてこの還元が応用されます。


このように還元された油を「硬化油」といいます。

脂肪酸と油脂
油脂は、脂肪酸とグリセリンが結合したものですが、常温で液状のものを油、固形状のものを脂肪と呼び分けています。


油脂を構成する脂肪酸は、鎖をつくる炭素原子に水素が満杯になっている飽和脂肪酸と、水素の一部が足りない不飽和脂肪酸とがあり、それぞれの鎖には有機酸をあらわすカルボキシル基(COOH)がついています。


一般に、動物性の脂肪の鎖には飽和のものが多く、植物性の油には不飽和のものが多い。また脂肪酸の種類にはCH2またはCHが連なる鎖の長いものと、短いものなど多種類あり、長いものを高級脂肪酸、短いものを低級脂肪酸と呼んでいます。


これは、長いものが上等で短いものが下級という意味ではありません。


洗浄・パック・スクラブ成分と界面活性剤
皮膚のひょうめんや毛穴には、余分な皮脂やメイクの残留、分泌物の酸敗、アカや古い角質の脱落などが付着して、不潔になりやすい。このため適時洗浄して、清潔に保つことが、スキンケアには不可欠。


①石鹸:油脂類をアルカリ処理して得た洗浄剤。弱酸性の脂肪酸を強アルカリで処理して 
いるので、アルカリ性が強く、敏感肌には適切とは言えません。

②バー:一般に合成中性石鹸のことをいい、硬水でも泡立ちがよく、石鹸のアルカリ性の刺激を改善しているため、肌にやさしい。

③界面活性剤:汚れには、さまざまな種類があるので、これらを同時に取り込んで、洗い流す作用が望ましい。このために各種の界面活性剤が開発され、応用されています。

④乳化剤と可溶化剤:水溶性(親水性)の汚れと脂溶性(親油性)の汚れとを同時に溶かし去ることで、おだやかな洗浄効果を発揮します。

⑤皮脂吸着成分と角質剥脱成分:汚れた皮脂をカオリンなどの固形微粒子に吸着して、選択的に取り除くのがクレイ成分。古い角質をクルミの殻粒などの固形微粒子などで物理的に取り除くのがスクラブ成分。ともにパック剤やスクラブ剤の主成分として応用されています。

界面活性剤の種類と応用
かつて界面活性剤は、合成洗濯洗剤の洗浄力を補強する成分にすぎませんでした。


しかし現在では研究が進み、種々の界面活性剤が開発されています。特に化粧品の分野では、乳化、分散、可溶性、湿潤、起泡、帯電防止、殺菌などに広く応用され、化粧品の機能の向上に大きく貢献しています。

1:陰イオン性界面活性剤:石鹸や合成洗剤のように水に溶け、水中でイオン化し、親油性の陰イオン部が活性化して働くもの。


2:陽イオン性界面活性剤:水中でイオン化し、親水性の陽イオン部が活性化して働くもので、逆性石鹸ともいわれ、殺菌効果があります。近年、毛髪を覆って静電気を防ぐものが開発され、シャンプー後のリンスに応用されています。


3:両イオン性界面活性剤:水中で陰陽の両イオンに解離して働くもので、刺激が少ないの で、ベビー用のシャンプーなどに応用される他、帯電防止作用もあるので、リンスにも配合されています。


4非イオン性界面活性剤:水中でイオン化することなく、基剤の油相や水相に合わせて広く応用できるので、化粧品の安定性の向上に役立っています。

乳化剤・可溶性剤とその応用
もともと水と油は、溶け合わない。また、それぞれの物質の性質によって、油性の溶媒に溶けるものと、水性の溶媒に溶けているものがあります。その溶け合わない両者を、均等に分散して混ぜ合わせるのが「乳化」という現象で、その現象を促すのが「乳化剤」。

さらに溶液状態に近いかたちに溶け合わせるのが「可溶化」という現象で、その現象を促すのが「可溶化剤」。


かつてこれに似た現象を促すものは、唯一石鹸でありましたが、界面活性剤の開発が進んで、優れた乳化機能や可溶化機能を持つ基剤や成分が広く化粧品に応用され、クリームや乳液、ローションや香水などの品質向上に寄与しています。

1:乳化:溶け合わない2つの液体の一方を微粒子(コロラド)化することで、もう片方の液体の中に均等に分散させます。これをエマルジョンといい、水中油型と油中水型とがあり、いずれも白濁液状になり、クリーム・ジェル・乳液等に応用されます。

2:可溶化:界面活性剤のもつ親油基と親水基が、ある濃度を超えると、水溶液の中で親油基を内側にして集合体をつくることがあります。このため油分の微粒子が、集合体の中に取り込まれて溶け込むので、水溶液に酷似した透明感になり、化粧水・ヘアトニックオーデコロン等に応用されます。

太陽光線の防御
太陽光線に含まれ、皮膚に有害な紫外線を防御することを、サンプロテクションといいます。


①紫外線吸着剤:紫外線を吸収することで皮膚への悪影響を防ぐ化学成分で、近年紫外線のA波とB波の両波を有効に吸収する成分の開発が進み、サンプロテクト製品の機能を向上させました。

②紫外線散乱剤:酸化チタンや酸化亜鉛などの微粒子で皮膚を被膜し、紫外線を散乱反射して皮膚への悪影響を防ぐ。

ただし、紫外線B波のブロックのみに有効。


サンプロテクト効果は、製品ごとに表示されているSPFの数値で表される。


これには、皮膚に紅斑を起こさせる紫外線の最小量を基準単位として、サンプロテクトの効果を判定します。


またユーザーは、SPF値を選択の目安として、海水浴やビーチバレーなどをするときは数値の高いものを選べばいいでしょう。

PH
一般に化学的成分は、酸性・中性・アルカリ性に分けられます。その一連の強弱の度合いを数値化したのが「PH」。


水は中性ですが、酸性を現す水素イオンが、10の7乗分の1(=10のマイナス7乗分)溶けています。

そこで水の水素イオン濃度であるマイナスの常用対数(7.0)を中性と定め、これより数値が小さくなれば酸性の度合いが強く、逆に大きくなればアルカリ性の度合いが強いことを数値で示しています。

一般に人の皮膚のPHは4.5~6.5の弱酸性(ただし、年齢・性別・部位により多少の差がある)となっていますが、これは皮膚の表面に分泌された皮脂と汗の混合物(皮脂膜)の測定値で、皮脂に由来する脂肪酸や汗に含まれる乳酸や尿素などの影響によります。

このため、洗浄などで皮膚が人為的にアルカリ性に傾いたときは、中和剤や酸性成分を与えて、本来の弱酸性のPHに戻るようなスキンケアが望ましいです。